南アフリカランド円の為替レート予想。実質相場と名目相場、購買力平価
南アフリカ共和国のインフレ率は高く、長期で名目相場の推移を示すと相場のケタ値が大きく変わってしまう。そのため左上図では名目相場の目盛は対数目盛(10進法で1ケタ上がると一目盛上がる)で表示してある。名目相場の過去の大きな下落にもかかわらず、実質相場が1980年代以降、指数で60近辺を中心とした上下動に収斂していることは、長期的には購買力平価への回帰が起こっている証左でもある。
ただし、発表されるインフレ指標の信頼度に懸念がある。南アフリカ相場が日本の投資家の高金利通貨投資の対象となったのは比較的近年のことだ。FX取引などでそれまでの「並の高金利通貨」銘柄に飽き足らなくなったプレーヤーが「超高金利通貨」。として手を染めるようになった。ただし市場は小さく、短期的な値動きは時に荒くなり、売買幅も相対的に広い(取引コストが高い)。相場が荒れると値が付かない事態も起きるので要注意だ。